世界一周日和

2016年11月17日から夫婦で世界一周旅行中

インド洋の真珠 スリランカの看護師インタビュー

 妻です。

お久しぶりです。

久々の更新になってしまいました。

 

スリランカの看護師さんにもインタビューしてきました!

 

まずはスリランカとスリランカの医療事情について・・・  

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スリランカ
正式国名:スリランカ民主社会主義共和国
南アジアのインド亜大陸の南東にポーク海峡を隔てて位置する共和制国家。
人口:約二千万人

気候:気候は熱帯性であり高温多湿で、海岸部・低地では年平均気温27~28 °Cであるが、高地の気候は冷涼である。
宗教:仏教70%、ヒンドゥー教13%、イスラム教10%、キリスト教7%

 

医療事情

国公立の医療機関では、基本的に医療費は無料である。国立病院より私立病院 の方が、医療機器などの設備が整備され、衛生面やサービス面でも優れている。 コロンボ(首都)市内には、最新医療機器を備えた国立総合病院や専門病院、私立総合病 院があり、各科の専門医がいる。 アーユルヴェーダと呼ばれる伝統医学があり、薬草で治療を行う医療施設(国立、 私立)もある。 (外務省ホームページより)

 

平均寿命(WHO2017年度版)

スリランカ:74.9歳(70位/183ヶ国中)

日本:83.7 歳(1位/183ヶ国中)

 

新生児死亡率(WHO2017年版)

スリランカ:5.4%(61 位/194ヶ国中)

日本:0.09%( 2位/ 194ヶ国中)

(死亡率が低い順に並べられランキング)

1000人出産あたりのパーセンテージ
新生児は生後約1ヶ月未満の赤ん坊で、死亡率は1000人出産当たりに死亡する人数。

 

妊産婦死亡数(WHO2017年版)

スリランカ:30人(111位/178カ国中)

日本:5人(172位/178カ国中)

10万人出産あたりの死亡者数

 (死亡率が高い順に並べられたランキング)

 

年齢調整自殺率(WHO2015年度版)

 スリランカ35.3人(3位/171カ国中)

日本 18.5人(17位/171カ国中)

10万人あたりの自殺者数

 (自殺者数が多い順に並べられたランキング)

 

 

看護師インタビュー スリランカ編

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今回、インタビューのためにお邪魔したのは、スリランカのUNAWATUNAという場所にある、

「REGIONAL HOSPITAL UNAWATUNA」という外来、入院施設をもつ総合病院です。

今回も泊まっているホテルのスタッフに「この近くに病院ないですか?」と聞き、アポなしで直接病院にお邪魔じゃましました!

 そんな突然の訪問にも関わらず、病院のスタッフの方は優しく、看護師さんにインタビューすることができました。

 

お世話になった看護師さん

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 アニーシャさん(写真左)とウィジエシンハさん(写真右)

 

 

インタビューの前にアニーシャさんが院内を案内してくれました。

 

診察受付

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待合のベンチ

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診察室

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中には女性医師の方がいました。

 

 処置室

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 酸素ボンベや吸引のための道具、点滴・採血のための道具や、外科的な処置のための道具がありました。

 

足をケガした方の処置中でした。

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入院病棟の入り口

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建物の1番奥に、精神科患者の入院病棟がありました。(入院ベットを持っているのは産科と精神科のみ)

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男性病棟、女性病棟に別れていて、ベットはそれぞれ20床程あります。 

病棟の入り口が鍵で閉鎖されている閉鎖病棟です。

病棟の入り口にはセキュリティのスタッフが常駐しています。

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病棟(病室)の中に入ってみて、びっくり。

広いスペースにただベットが並べられているだけで、個人空間を仕切る、カーテンなどは一切ありません。

危険防止のためにこういう造りにしているのかな?

と思ったのですが、そうではなく

この病院の精神科病棟に限らず、スリランカの国立病院の入院病棟ではプライバシーのない大部屋が一般的で、病院によっては一部屋に30近くのベットがならんでいる場合もあるそうです。

そのため、個室での入院を希望する人は私立病院へ行くそうです。

 

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私がお邪魔した時は女性・男性ともに4・5名の入院患者さんがおられました。

アニーーシャさんは「入院患者さんが少ない時でも、一人一人が抱えている精神の問題はシビアなので、看護するのは大変」と話していました。

入院患者の中に多い疾患としては、うつ病、統合失調症、双極性障害、重度の認知症、などがあるそうです。

夜勤の時は男性病棟担当1名、女性病棟担当1名セキュリティスタッフ1名、3名で勤務するそうです。

 

  

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病棟の外には庭があり、ここで患者さんと家族が散歩したり、治療の一環として患者さんが庭の手入れをしたりするそうです。

庭に咲いている綺麗な花を見ながら、スリランカには毒性のある花を食べて自殺を図る人も多くいるという話をしてくれました。

 

 

看護師インタビュー スリランカ編

インタビューに応じてくれたのはアニーシャさん(写真左)です。

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 名前:アニーシャさん

年齢:35歳

看護師:10年

 

 

Qどうして看護師という仕事を選んだのですか?

 

母に勧められたからです。

「看護師の制服は素敵だし、看護師という職業は偉大だだから、あなたは看護師になりなさい」と言われ、18歳から看護師の勉強を始めました。

ちなみに、母は看護師ではありません。

25歳で看護師の仕事を始めて、いま看護師歴10年です。

 

Qあなたは何科の看護師ですか?

 

精神科の看護師です。

外来、入院病棟どちらも担当しています。

 

Q看護師をしていて良かったことは何ですか?

 

患者さんの状態が、私たち看護師との関わりの中で良い方向に向かった時に、この仕事の喜びを感じます。

それと、看護師として働く中で得た知識や技術を、病院の患者さんだけではなく、自分の家族のためにも活かすことができること。家族のケアができることです。

 

Q看護師の仕事で大変なことは何ですか?

 

この病院は精神科を専門としている病院なので、通院患者、入院患者含めて、たくさんの精神疾患の患者に関わります。
患者の中には、精神疾患のせいで、興奮状態で、暴力的になってしまっている人もいます。そういった患者の看護はとても難しいです。

患者が興奮状態、暴力的であったとしても私達看護師は常に冷静でいる必要があります。でも時々、それが難しいことがあります。私達も人間だから。

そんな時、この仕事の大変さを感じます。

 

 

Q仕事辞めようとおもったことはありますか?

 

今のことろないです。

私はこの仕事が好きだから、この先もきっと看護師を辞めないと思います。
政府が定めた定年年齢は60歳なので、その年齢まで仕事を続けると思います。

 

Qスリランカでは看護師という仕事はどんなイメージを持たれていますか?

 

すごく大変な仕事だけど、とても素晴らしい仕事だと思われています。

 

Qスリランカでは看護師の職場環境や待遇はどうですか?

 

産前産後の休暇(有給)などは保障されていますが、給料は他の一般的な仕事(会社員)などと比較すると安いと思います。なので、資格を取った後に海外へ行き、労働環境や給料などの面で待遇が良い、海外の病院で働く人もいます。

 

Qスリランカはアーユルベーダが有名ですが、今でも病気になった時に、病院ではなく、アーユルベーダを使って治療するという選択をする人はいるのですか?

 

もちろんいます。

昔からアーユルベーダに慣れ親しんできた高齢者の方などの中には、今でも病気になった時に病院ではなくアーユルベーダのクリニックに行き治療している人がいます。そういった方は全体の約25パーセント位だと思います。

ただ、そういった方でも癌など、病気の種類によっては近代医療の治療を受けています。

 

Qスリランカ特有の疾患は何かありますか?

 

特有の疾患ではありませんが、今スリランカで問題になっているのは、高血圧、糖尿病、心血管疾患などの生活習慣病の増加です。
昔のスリランカでは仕事や生活の中で、自然と体を動かしていました。しかし、生活が便利になり、仕事がオフィスジョブがメインとなり、慢性的な運動不足、そういったライフスタイルの変化によって、引き起こされる生活習慣病が問題になっています。

 

Qスリランカの健康問題を調べている中で、スリランカの自殺率の高さに驚きました。自殺率が高い原因は何だと思いますか?

 

私個人の考えとしては、ストレスマネージメントができていないことが大きな原因だと思います。

大きなストレスを受けた時に、もし、本人やその周りの家族がそれに対する正しい対処法を知っていたとしたら、自殺は防げると思います。しかし、残念なことに、スリランカではストレスマネージメントの知識を持っている人が少ないのが実情です。

 

感想

精神科の看護師として働くことの大変さを日々感じながらも「この仕事が好きだからずっと続けたい」と話すアニーシャさん。

アニーシャさんは笑顔がとても素敵な方で、喋り方や動作もとても穏やか。

院内を案内しながらも、

疲れてない?大丈夫?

とか

患者さんの様子を見ておどろかなかった?大丈夫?

と沢山声をかけてくれて、

精神科で働く看護師さんならではの、気遣いと優しさを感じました。

そんなアニーシャさんに、患者さんも癒されているんだろうなということが、彼女の姿を見た時の、患者さん達の笑顔から伝わってきました。

 

 

今回スリランカの自殺率が高いという事実を知り、本当に驚きました。

それは私の目に映るスリランカに人々からは自殺というものが全くイメージできなかったからです。

私が出会ったスリランカ人の人はみんな大らかで、のんびりゆったり、リラックスしていて(仕事中でも)、失礼な言い方かもしれませんが、とてもストレスを抱えているようには見えませんでした。

なぜこの国で長年自殺率が高いのか、気になって色々と調べてみました。

その中で、他国とは少し違ったスリランカ特有の自殺の背景が見えてきました

(注意:スリランカの自殺率の高さについて書かれているページや文献は少なく、その中で得られた情報である上に、数年前の情報なども含まれているので、ここに書いた情報が100%正しいとは言えません)

 

■スリランカで「自殺」が意味するもの
スリランカの場合
「自殺は他者に対する意思表示、他者に対し意義をとなえる手段」とされています。

 

■自殺動機

「仕返しや復讐心から自殺に走る傾向目立つ」

スリランカの自殺動機の多くが、人間関係における突発的な問題。

人間関係の衝突・裏切り・侮辱といった問題に対し、怒りの感情のもとに、突発的に自殺を図る人が多いのです。

また、自殺者の約半数が酒を飲み、酒に酔った状態で 自殺を図っていたというデータもありました。

 

■自殺方法

服毒自殺85〜90%

農薬を飲んで自殺を図るケースが多いようです。政府が毒性の高い農薬の輸入を禁止したことで、自殺率が減少したという位、農薬を使っての自殺が多いそうです。

 

これらの内容は

発展途上国の自殺=貧困や病気が原因だと思い込んでいた私にとって、驚きのものでした。

もしこの内容が本当なのであれば、アニーシャさんが言っていたようにストレスマネージメントの能力の低さと自殺率の高さの関係に納得がいきます。

歴史的な背景・宗教・文化の違いなどがあるので、一概には言い切れませんが、もしもスリランカにの人々がストレスマネージメントの能力を身につけたとしたら、突発的な人間関係の問題に適切に対応することができ、復習や意義を唱えるために「自殺」という手段を選ばないのではないでしょうか。

 

今回もインタビューをきっかけに、旅をしているだけでは知れなかった、スリランカを知ることができました。

突然の訪問にも関わらず、あたたかく迎えて下さった

REGIONAL HOSPITALUNAWATUNAの皆さん、ありがとうございました。

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